2009年08月01日(土)
真駒内中学校吹奏楽部、全日本吹奏楽コンクール札幌地区大会中学校B編成部門金賞受賞&全道大会進出!
Sapporo Makomanai Junior High School Windband directed by Tsukasa Yorozu had a big success at Sapporo Local Round of All Japan Windband Competition ! Got the Gold Prize and goes on to the Hokkaido Round in September!!

 パシフィック・ミュージック・フェスティヴァル(PMF)のために世界中から音楽家が集い賑っていた、7月の札幌市南区真駒内。時を同じくして、私はその真駒内駅前にある札幌市立真駒内中学校の吹奏楽部(顧問:萬司(よろずつかさ)先生)に臨時トレーナーとして数回ほど指揮を振り指導にあたっていました。

 8月1日に行われた全日本吹奏楽コンクール札幌地区大会中学校B編成部門に臨み、萬先生の指揮のもと、N.Rimsky-KorsakovのDance of the Tumblers(軽業師の踊り)のイキイキとしたパフォーマンスの結果、42団体ものエントリーの中で数少ない金賞を受賞、さらには地区代表7校の中に選ばれ、全道大会への切符を手にしました! 昨年の地区銀賞から、一気に大躍進。みんなよく頑張ったね!!

 数年前まで、夏に帰国のたびに数回のトロンボーン・レッスンに行っていたこの真駒内中学校吹奏楽部。近年は私が帰国できなかったりITEのツアーがあったりでチャンスががなく、当時の生徒たちはもう大学生〜高校生。今回は、ご多忙の萬先生からバンド全体のリハーサルを任され、私なりにその期待に応えられるようエネルギッシュに指導にあたってきましたが、やはり十代前半のエネルギーと吸収の早さは計り知れないものがありました。

 兆候は、すでに初顔合わせで行った1回目のリハーサルとその1週間後の2回目においてすでに大きく表れていました。

 1回目は萬先生のお立会いのもと、私は主に曲の前半部分を使って、音楽的にすさまじい数の提案や要求をしました。曲中のある数小節をとりあげては、その部分を最も高い出来栄え・効果で達成する様を部員の皆さんに体験してもらい、それをストレスなく常時達成できるようになるための技術的・精神的な考え方、トレーニング方法、アイディアを提案しました。

 そして私は2回目のリハーサルで、彼女たちの驚くほどの変化を目の当たりにすることになります。「短期間でよくぞここまでモノにしたな」というのが正直な感想でした。たった1週間という期間で、すべてとはいかないまでも、それらの多くをものの見事に自分たちの中に吸収・取り込んでおり、時間がかかると思われる奏法上の弱点のいくつかもすでに改善しはじめているのがわかりました。1回目で一生懸命取り組んだフレージング、サウンドと音価のこと、ダイナミクスなどの効果が、自信に満ち溢れてこちらに伝わってきました。さらには、新しく取り込んだアイディアによって、それまで取り組んできたであろうことがおろそかになったり崩れてしまったりしている箇所があまりなく、萬先生と生徒の皆さんの取り組みに対するシビアさが垣間見えました。私の中ではこのときすでに「むむむ! マコマナイ、やるなぁ!」という感じでした。

 2回目では曲の後半を中心に仕上げ、本番2日前にあった3回目では休憩を多く挟み、全体を通しながら取りこぼしを修正し、集中力とメンタル面の確認をしました。

 本番は萬先生の言葉まさしく「普段どおりの演奏だった」というものでした。興奮のせいか、曲の中盤で少しテンポが前のめりになっているのが伝わってきましたが、途中ですぐにきちんと修正がきいていました。最初の数小節で聴き手の興味を惹いて以降、すべてのフレーズが存分に歌われ、この作品が持つエネルギッシュな部分と繊細な部分がよく伝わってきました。客席で演奏を聴いて、金賞は大丈夫だろうと思いましたが、そこにほんの少しの幸運も重なって、一気の全道大会進出となりました。「頑張ってやれば、いつかおのずとチャンスはやって来る」ものですね。

 9月の全道大会までにはさらにかなりの飛躍が期待できますね。このまま努力を続けて、一生の思い出に残る名演をしてください。私の日本滞在の最後に、こんなすばらしい思い出をありがとう。Have fun and good luck!!

 萬先生、機会あればぜひ一杯やりましょう!

2009年8月1日午後19時頃、札幌コンサートホールKitara前

顧問・萬先生の代わりにみんなの"Victory"サインに囲まれて