Everyone trying many models including the newests. Of course contrabass trombones and sackbuts too!
Desk of the ITF2009
6月25〜28日に行われるインターナショナル・トロンボーン・フェスティヴァル2009(オルフス・アルハス、デンマーク)International Trombone Festival 2009 (Aarhus, Denmark)のブースもあり、チェアマンのNils-Ole Bo Johansenとともにフェスティヴァルの宣伝を行っていました。
A.Courtoisのブースで記念撮影!
(作曲家でトロンボニストのヨハン・デ・メイJohan de Meij氏, コルトワのオランダ国内代理店のヤン・ヤンセンJan Jansen氏)
10:00から、中ホールJurriaanse Zaalにて"Meet the Maestros"と題したクリニックが行われ、世界で最も有名で活動が活発なクラシカル・トロンボーン奏者の二人、ジョゼフ・アレッシJoseph Alessiとクリスティアン・リンドバーグChristian Lindbergが登場した。ジョーが"Love's Notes"(Nicola Ferro)という彼のための新作を世界初演し、 クリスティアンが自作の"Joe Jack Binglebandit"を披露したあとは、聴衆から自由に質問ができる、この二人による夢のQ&Aタイムに! 日々の練習スケジュールのこと、作曲方法こと、作曲や指揮の活動とトロンボーン演奏の両立について、リップ・バズィングの重要性について、など会場からは大小さまざまな質問があがり、挙手の数に対して時間が圧倒的に足りない様相でしたが、ウンウンと頷く姿、メモをとる姿、二人のマエストロの相違に驚いた顔、ジョークに思わず笑いがこぼれる顔などがみられ、充実した時間になった模様でした。
Joe & Christian at their discussion
10:30には"Quartet Relay"と題し、5つの音楽院のトロンボーン学生たちが組んだたくさんのトリオとカルテットが、ロッテルダムの街全体に散らばって、移動→路上演奏を繰り返し、まるでストリート・ミュージシャンのように街中にトロンボーンのサウンドを鳴り響かせました。交差点、表通り、裏通り、ショッピング・モール、電車やトラムの駅、ときには車道の真ん中で、サプライズ・ミニ・コンサートの連続です。広く散らばった無数のグループは演奏を繰り返しながら、夕方に街の中心にある広場Schouwburgpleinで行われる野外イベント"Meet the World"に集結します。
Peter Moore and Young Trombone Collective conducted by Brandt Attema playing "Wooden Snow"
13:00-14:00には、ニルス・オレ・ボ・ヨハンセンNiels-Ole Bo Johansen、クリス・ハウルディングChris Houlding、ジョージ・ヴィーゲルGeorge Wiegelという、ヨーロッパのトロンボーン教育において重要な3人の教授たちによるクリニックが行われました。スカンディナヴィア各国、イギリス、ドイツ、ベネルクス三国のそれぞれのトロンボーン事情に精通したこの“マスター”たちが、各国の教育システムや理念などを比較するところから討論が始まり、終始和やかな雰囲気で笑みもこぼれ、会場からもいくつかの質問が出ました。
(L-R) Geroge Wiegel, Chris Houlding, Niels-Ole Bo Johansen
14:00〜は"Guest Stars Recital"と題し、ソリストたちが次々に得意のソロ・レパートリーを引っ提げて登場しました。13歳のピーター・ムーアPeter MooreがAria et Polonaise(Joseph Jongen)とConcertino - II & III(Lars-Erik Larsson)(公式DVDに収録!)のすばらしい演奏で先陣を切ると、クリス・ハウルディングChris HouldingとNiels-Ole Bo Johansenが電子音の録音伴奏と演奏するJericho(Wayne Siegel)、コントラバストロンボーンのブラント・アッテマBrandt Attemaとハープのアストリット・ハーリングAstrid Haringのデュオが、ユルゲンなどのために多くのトロンボーン作品を書いているオランダの現代作曲家マルティン・パディングMartijn Paddingののユニークな新作Schumann's Last Processionの世界初演を披露すると(公式DVDに収録!)、ミシェル・ベッケMichel Becquetが十八番のPrelude et Dance(John Mortimer)の美しい演奏で会場は溜息に包まれ(公式DVDに収録!)、ユルゲン・ファン・ライエンJorgen van Rijenが彼のソロCDのタイトルにもなっている"I was like Wow"(Jacob ter Verdhuis)をスクリーン映像とともに演奏して(公式DVDに収録!)、ソリストたちのリサイタルの幕を閉じました。
Jorgen performing his new masterpiece "I was like Wow"
15:00からリハーサルを行った野外スペクタクルイベント"Earth Tone Journey"は、Quartet Relayを終えたメンバーたちも合流して、16:30に野外広場Schouwburgpleinで本番を迎えました。 当日は朝から天候が悪く、午後になってもいつもの空模様で降雨が心配されていましたが、スペクタクル開始予定時刻の頃までにはすっかり陽も射しはじめていました。いくつものトロンボーン吹きの集団が大音量の和音を街中に響かせて四方八方から広場に押し寄せてくると、このイベントを待っていた人、大音量に驚いて寄ってきた人、トロンボーンだらけのめずらしい光景を目にして覗きに来た人、マンションのベランダに出てくる人、トラックや乗用車の運転を路上でとめて眺めている人、お店や食べ物をそっちのけでレストラにゃカフェから出てくる人、しめて数千人が観覧に訪れました。
今回のアトラクションは多数のトロンボーンだけでなく、ロッテルダムで活動する異文化圏のミュージシャンたちが共演しました。世界の四大陸から集い出会う"Earth Tone Journey"というテーマに基づいて、[Asia] "Trisno Sowoero" (A Gamelan orchestra)、[Africa] "Casa Tiberias" (A percussion and vocal group from Cape Verde Islands)、[South-America] "Antillian Brassband"が、作曲者で総指揮者を務めるAndrew Peggie氏、200人以上ものトロンボーン奏者たちとともに、大きな音楽のつながりをつくりあげました。
公式DVDに収録!
Hundreds of trombonists completely surrounded by thousands of people
その晩は、今回のフェスティヴァルのメイン・イベントのひとつであるコルトワ・ガラ・コンサート"Courtois Gala Concert"が20:15からDe Doelen Jurriaansezaalで行われました。New Trombone CollectiveがJoseph Alessi、Christian Lindberg、Nils Wogramといったゲスト・ソロイストたちと繰り広げる、驚きと笑いが詰まったコンサート。聴衆は感動の渦に巻き込まれ、会場は歓声、溜息、笑顔であふれていました。
Orfeo en Sounds from Heaven (Claudio Moteverdi / arr. Koen Kaptijn)
DVD"Limbo Lounge"に収録
A Sound from Heaven (Jacob ter Veldhuis / arr. Koen Kaptijn)
滅茶滅茶でシュールなこの曲は、有名な童話「不思議の国のアリス」"Alice in Wonderland" by Lewis Carollに基づいた約10分の作品で、New Trombone Collective(NTC)のためにテープ伴奏と映像を使って作曲しました。 夢の中でアリスは空想の世界に迷い込んでしまい、降りかかる困難をくぐりぬけて目を覚まします。このお話の世界は全く非論理的で、物事が時間の枠組みも理由もなしに繰り返されます。NTCのメンバーたちはストーリーに登場する特定のキャラクターの役を担当します。曲(ストーリー)の進行の中で、それぞれが演じるキャラクターのメイン・テーマを奏でます。その瞬間、アニメ映像に彼らの姿がシュールな姿態で登場しプレーヤーはかぶりものをかぶって、アニメに登場する空想のキャラクターに変身します。