EUROPEAN TROMBONE FESTIVAL "SLIDE FACTORY" 2009

DAY 4 / 4 (Sunday 29 March)

【3月29日(日)〜フェスティヴァル最終4日日】

09:00-10:30
Warming-Up
Harry Watters
11:00-12:30
Slide meets Sax
Aurelia Saxophone Quartet, New Trombone Collective
14:00-15:00
Concert Ancient Music
Scorpio Collective
15:30-16:30
Clinic Trombone Building
Trombone Classes from New York, Lyon, Lausanne, Berlin and Rotterdam
16:30-18:30
Final Jazz Concert
Louk Boudesteijn, Ilja Reijngoud, Wolter Wierbos, Bart van Lier, Codarts Bigband

 

 最終日の朝をHarry Wattersの"Power Practicing"のクリニックをかねたセッションでスタートすると、11:00からはNew Trombone CollectiveとAurelia Saxophone Quartetによるジョイント・コンサート"Slide meets Sax"。世界初演を5つも含んだプログラムは、トロンボーンとサックスのための作曲に精通したC.Rumondor、R.v.Eeten、D.Schnyderといった作曲家たちが、両方の楽器の特長をそれぞれに活かした本当に面白い作品でいっぱいでした。オランダの音楽会で重要な地位を占めるこの二つのグループがこのコンサートのために出会い、知り合い、お互いに闘い模索しあい鍛えあげられてきました。コンサートでは、たくさんの種類の楽器がつくるアンサンブルの美しい響きや作品のオーケストレーションの面白さなどが堪能でき、楽しいコンサートになりました。ところで、いつも思うのですが、オランダの現代作曲家たちというのは、コンテンポラリーだけど意図や表現するものがわかりやすい楽曲を書くのが上手ですね。

数曲を公式DVDに収録!

 

 14:00からは古楽の時間。オランダで長年古楽アンサンブルの中核を担っているスコーピオ・コレクティヴScorpio Collectiveのコンサートでした。16〜17世紀のヨーロッパ各地で発達したトロンボーン(とCornetto)のための音楽を集めたプログラムでした。前回SFのゲストで華々しい超絶技巧で聴衆を圧倒したレ・サックブティエに比べると、演奏の聴きごたえやプログラミングでやや劣って見えてしまったのは否めない感じでしたが、日曜午後のゆっくりとした時間にぴったりの美しい音楽でした。

 15:30-16:30はオランダ人古楽器職人で過去数世紀の古楽器の復刻を専門とする、ヘールト・ヤン・ファン・デル・ハイデGeert Jan van der Heideによるクリニックでした。4年前の第1回のスライド・ファクトリーのブースでは、たくさんの異なる管長の美しいサックバットを展示してくれ、古楽器に手馴れていない私にも試奏の際は事細かに説明をしてくれました。今回はその彼の楽器の製造についての知識を、音楽の歴史とともに勉強できる貴重な機会になりました。

 

 16:30-18:30は、このスライド・ファクトリーのトリを飾るファイナル・ジャズ・コンサートで、イリャ・ラインハウトIlja Reijngoud指揮のコダーツ・ビッグバンドCodarts Bigband(ロッテルダム音楽院)の登場です。オランダのトップ・ジャズ・トロンボーン・アーティストたち〜Louk Boudesteijn、Ilja Reijngoud、Wolter Wiesbos、Bart van Lierが次々にそのスーパープレイを炸裂させ、さらには音楽院のジャズ・トロンボーン専攻生たちによるショータイムもあり、日曜午後の幅広い聴衆の耳を楽しませました。数曲を公式DVDに収録!

 ジャズ・コンサートの終演前にNew Trombone Collectiveおよびフェスティヴァルスタッフの紹介と挨拶があり、2011年に第4回のスライド・ファクトリーの開催を企画をしている旨が告知されました。アンコールでジャズ・トロンボーン・アーティストたちによる競演があり、これで今回のフェスティヴァルは終了となりました。

 その後もしばしドリンクを片手に、すべての出演と役割を終えたアーティストたちとの歓談や記念撮影の時間になり、会場には笑いがあふれていました。

Takashi with Michel

Takashi with Jorgen and Mr.Hara

 

Bart van Lier with Japanese mafia

 

 公式記録によると延べ11,111人が参加し、フェスティヴァルは大成功で幕を閉じました。そのまま今度はレストランで実行委員会の打ち上げがあり、さらにはバーで夜中までパーティが・・・。

 

 

 

 次回スライドファクトリーは2011年4月前半に開催の方向で調整中です。開催日時のほかにも目玉イベント、アーティストなどの情報が入り次第、随時お知らせしていきます。ぜひ貯金を開始して、楽しみにしていてください!

 また、今回のスライド・ファクトリーのプログラムが数冊ほど手元にあります。先着順で、送料をご負担いただければお譲りできますので、ご希望の方はメールでお問い合わせください。

スライド・ファクトリー公式サイトはこちら

(オランダ語、英語、日本語、スペイン語)

このスライド・ファクトリーのすべてのハイライトを収めたDVDはこちら